家族信託とは、「自分で自分の財産管理をできなくなってしまった時に備えて、家族に自分の財産の管理や処分をできる権限を与えておく方法」のこと(https://support-sozoku.com/souzoku_guide/kazokushintaku/ から引用)。
似たような制度として、成年後見制度という方法もあります。
しかし、成年後見人制度は、一度始めてしまうとやめることができない、本人口座に対する制約が多い(例えば、大きな財産を処分する場合には家庭裁判所の許可が必要)といったような難しさがあります。
そんなことから、家族信託の制度は、ずっと気になっていた制度でした。
そんななか、相続対策として、株式を利用する方法があるという記事を発見。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1c1841e32293f95f3e21320b9b0e35004d93619c?page=1
それによると、「信託財産の評価額によって数十万円から数百万円の司法書士への費用報酬がかかる」ものの、「家族信託では相続発生後の遺産の承継先を2次相続まで指定でき、渡し方や管理方法をあらかじめ決めておくことも可能」とのこと。
また、自己信託といって、自ら信託する仕組みにしておけば、万一、自己破産になったりしたとしても、信託財産は破産対象から外される「倒産隔離機能」があるので、強制執行される心配がなくなります。(ただし、計画倒産のような不正行為を防ぐために、自己信託の場合、公正証書によるチェックが入りますが)
反対にデメリットとしては、家族信託をする受託者をだれにするのか、でもめる可能史がある、ということが挙げられますね。それは遺産相続のケースを考えればわかると思います。家族信託で受託を受ける、ということは、家族信託を委託した方の財産を扱うことになるので、その受託者をだれにするのか、でもめる可能性は十分あると思います。そういうことにならないよう、家族信託を利用する際には、家族間で十分に話し合いをして、後々トラブルにならないように、注意する必要があります。
あと、節税効果は薄い、です。「受益者が第三者であれば贈与税、受益権が相続によって相続人に移転すれば相続税がかかります」。そのため、節税効果の期待はしないほうが良さそうです。
そんなメリット・デメリットのある家族信託。私の場合、発達障害のある子どものために利用しようか、と考えている制度ですが、高齢の親を持つ方にとっても、参考になるのではないでしょうか?